グゥーちゃんが死んだ。

8月18日金曜日 グゥーちゃんが死んだ。

籠の中で止まり木から えさ箱の方へ飛び移るとき

グゥーちゃんは、えさ箱の中に突っ伏した。

「あぁ 今日 ダメなのかも」

 

ふと そう感じた。

 

すぐ籠からだして 膝の上で スプーンから水を与えたら

グゥーちゃんは、啜って水を飲んだ。 でも餌は食べなかった。パンも食べなかった。

グゥーちゃんは ずっと膝の上で私の手の平の中でぐったりしていた。

 

私は、ずっと撫でていた。

涙が止まらなかった 鼻水も止まらなかった。

グゥーちゃんのピンク色の脚が、だんだんと血の気がなくなって来た。

グゥーちゃんは、横になりながら 私を見ていた。

白目が見えないタイプの目をしているグゥーちゃんだけど

今、白目の部分が見える。

だから、グゥーちゃんが一生懸命に私の顔を見ようとしてるんだ。

上目遣いに見ているんだ。  

って わかった。

そして 半ば開けた口は、インコのクチバシの特徴で口角が上がってるから まるで微笑んでいるかの様に見えた。

 

グゥーちゃんは

毎日聞かされている「グゥーちゃん大好きだよ。ずっとずっと一緒だよ。」

って普通のセリフを 私が

今日はなんでこんなに泣きながら言ってるのか なんで鼻水ずるずる出しているのか

それが本当に不思議だ って 顔をしていた。

「お母さん なんでそんなに泣いてるの?」

って笑ってるように見えた。

 

私は

もうすぐ旅立っていくグゥーちゃんに 

最後に聞かせるのが音が、泣き声と汚い鼻水の音で申し訳ないね

って話しかけた。

 

グゥーちゃんは、そのうちに 旅立っていった。

私は、叫ぶように泣いた。 そうしないと身体がちぎれそうだった。

 

本当にいい子だった。 「大好きだよ 一番好きだよ ずっとずっと一緒だよ」

いつも言っていた言葉は 骨になったグゥーちゃんに 今日も言い続けている。

 

今日は49日法要。 私はまだグゥーちゃんの遺骨を手放せないでいる。

とてもとても手放すことが出来ない。

 

2023年7月撮影